呼吸器内科

呼吸器内科 当院医師は日本呼吸器学会が認定する呼吸器専門医です。
空気の通り道である気道(鼻、咽頭、喉頭、気管、気管支)や肺で起きる病気について診療します。
必要時は血液検査、画像検査(胸部X線、CT、超音波検査)、呼吸機能検査、呼吸抵抗検査を行い診断・治療します。

呼吸器内科で診療する主な疾患

診療内容
インフルエンザ、肺炎、肺結核、非結核性抗酸菌症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性間質性肺炎、肺癌、睡眠時無呼吸症候群

以下のような症状があればご相談ください

  • 咳、痰
  • 発熱、頭痛、咽頭痛
  • 息切れ、動悸
  • いびき
  • タバコをやめたい
  • 画像検査(胸部X線)で異常を指摘された
  • くしゃみ、鼻水、鼻づまり

内科で診療する主な疾患

肺癌

初期には症状がなく、健康診断で偶然発見されることが多いです。進行すると血液、リンパ液の流れに乗って全身へ転移し、咳、痰、血痰、息切れ、声がれ、痛みが出現します。
早期で手術が可能であった場合、5〜8割完治が望めますが、全身へ転移すると手術が不可能になり、致命的な病気となってしまいます。このため、胸部CTで早期に肺癌を発見し、手術で切除することが重要です。
喫煙者は非喫煙者に比べて肺癌の発症リスクが4倍以上高くなると言われており、予防のためには禁煙が重要です。

検査、治療

咳、痰、胸痛等の呼吸器症状がある時、または胸部X線で異常を指摘された時、ご相談ください。CT検査を行い肺癌の早期発見を目指します。CTで肺癌の疑いが強い場合は、手術による早期診断・治療や気管支鏡検査を目的に岡崎市民病院へ紹介致します。

肺炎

細菌等の病原微生物が肺に感染することで、炎症を起こしている疾患です。 咳、痰、胸の痛み、呼吸困難といった呼吸器症状のほか、発熱、倦怠感、食欲不振等の全身症状もみられます。

検査、治療

肺炎が疑われる場合、画像検査(胸部X線、CT)、血液検査、喀痰培養を行います。細菌性肺炎と診断すれば、抗菌薬を使用します。このほか症状を軽くさせる治療として、解熱鎮痛剤、鎮咳剤、去痰剤を使用します。
また65歳以上の方は、自治体で定期接種(費用の一部を負担)として肺炎球菌ワクチンの予防接種を行っています。肺炎球菌は成人重症肺炎の原因菌の中で最も多く、予防接種が重要です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

タバコの煙等の有害物質を長期に渡って吸入し続けることで、気道や肺胞に炎症が起きる疾患がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。咳、痰が出やすくなるほか、気道が狭くなり、肺胞が破壊され肺気腫化し、気流閉塞で息を素早く吐くのが困難になります。
病状はゆっくり進行し、初期の段階で気づくのは難しいです。進行すると階段等を昇った際に、息切れがします。COPDが進行すると、肺機能が元に戻ることはなく、早期に禁煙し進行を止めることが重要です。

検査、治療

上記のような症状と喫煙歴があって40歳以上の方はCOPDが疑われます。診断をつけるための検査として、画像検査(胸部X線、CT )で肺気腫化を、呼吸機能検査(スパイロメーター)、呼吸抵抗検査(モストグラフ)で気流閉塞を確認します。
COPDと診断されたら、喫煙者の方はまず禁煙です。その後、薬物療法として狭窄している気道を広げるための気管支拡張薬を使用します。息切れ、低酸素血症が進行すれば、在宅酸素療法を行います。喫煙をやめられない方は、当院では禁煙外来を行っていますので、ぜひご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に頻回の無呼吸、低呼吸がある場合(1時間あたりに10秒以上の呼吸停止、低下が5回以上)、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)と診断されます。いびき、夜間の頻尿、日中の眠気、起床時の頭痛等を認めます。日中の眠気は作業効率の低下、居眠り運転事故、労働災害の原因にもなります。

以下のような症状のある方は、睡眠時無呼吸症候群が疑われます(例)
  • 大きないびきをかいている
  • 日中(活動時)に強い眠気に襲われる
  • 熟睡感がない
  • 夜間に何度もトイレに行く(何度も目が覚める)
  • 起床時に頭痛がする
  • 車を運転中に居眠りをしてしまう

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)

睡眠中に上気道が閉塞することが原因で無呼吸、低呼吸となるタイプです。上気道が閉塞してしまう原因として、首まわりの脂肪沈着、肥満、扁桃の肥大、舌が大きい、顎が小さい等があります。

検査、治療

当院では、ご自宅で手の指や鼻の下にセンサーを付ける携帯型の簡易検査装置により、睡眠中の呼吸の状態を評価します。
1時間に20回以上の無呼吸、低呼吸を認める場合、CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)を行います。睡眠前に鼻マスクを装着し、持続的に空気を送ることで狭くなっている気道を広げる治療法です。
アルコールは睡眠の質を悪化させるため晩酌を控えることや減量も重要です。

予後

睡眠時無呼吸症候群では高血圧、脳卒中、心筋梗塞の危険性が4倍高くなりますがCPAP治療にて健常人と同等まで死亡率が低下します。

禁煙外来

禁煙外来は、喫煙習慣を今すぐ止めたいと考えている方を対象とします。治療を行う前にこれまでの喫煙歴等をお聞きし、しっかりと現状を把握したうえで、適切とされる禁煙補助薬を処方します。

保険が適用されます

健康保険による禁煙治療の対象となる方は、以下の通りです。
保険対象外の場合は自費診療となりますが、同様の禁煙治療が受けられます。

  • ニコチン依存症の判定テスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)が5点以上
  • 35歳以上の方はブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
  • すぐに禁煙したいと考えていること
  • 禁煙治療を受けることを文書で同意すること
  • 過去1年以内に保険を使った禁煙外来診療を受けていないこと
喫煙はがんや生活習慣病等のリスクを高める

タバコの煙の中の多くの物質に発癌性があると言われています。また、癌を発症するだけでなく、動脈硬化や心筋梗塞等の循環器疾患、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)等の呼吸器疾患、脳出血や脳梗塞を発症する原因にもなります。

禁煙補助薬

当院では、禁煙治療の際に使用する禁煙補助薬として、ニコチンパッチ(貼り薬によりニコチンを少量摂取して喫煙を減少させて行く方法)、内服薬のバレニクリン(ニコチンが含まれない飲み薬、ドーパミンを少量放出させ、ニコチン切れによるイライラ症状を軽減、タバコを吸ってもおいしくない状態にする)を用いています

副作用は、禁煙パッチについては、いつも同じ位置に貼っていると皮膚がかぶれることがあり、その防止策として毎日違う位置に貼るようにしていただきます。また、チャンピックスには禁忌としてうつ病があるほか、吐き気、不眠症、頭痛等の症状が報告されています。